Workout Diary

自分の読んだ本の感想や日々のワークアウト主にトレーニング、食事について書いていこうと思ってます♪ このブログの記事読んだ読書家さんたちをフィットネス業界に引き摺り込めるよう日々更新頑張ります!

宇山佳祐さん「桜のような僕の恋人」

こんにちは。

今日は、久しぶりに涙した表題の「桜のような僕の恋人」を紹介していきます。

自分の美容院を持つことを夢に日々、努力する美咲とカメラマンになることを夢見ていた晴人が、
美咲に認めてもらうためまたカメラマンを目指すのが冒頭の「春」です。

この小説は5章に分かれていて、「春」、「夏」、「秋」、「冬」、「新しい季節」となっています。

なぜこんな構成になっているかというと、ヒロインの美咲が「ファストフォード症候群」なる遺伝子疾患を発症してしまうからです。

この病気は、急速に老化が進み、発症後1年で死に至る不治の病です。

春に晴人と付き合い始めた美咲。

そして、夏には病院でその事実を知ってしまいます。

その後、美咲がとった行動とは、晴人に今後急速に老いていく自分を晴人に見せないため、新しい恋人ができたと晴人に嘘をつき晴人を遠ざけることです。
晴人はこの嘘を聞いたとき、美咲を強く傷つけてしまいます。
読者としては、状況が分かっているだけに心に来るものがあります。

ここまでが「夏」です。

「秋」になると白髪が目立ち、顔も皺だらけ。

兄の婚約者であり、美咲の姉のような存在である綾乃や若い看護師たちに嫉妬をいだき、
日々老いていく自分をごまかすため、白髪を染め続けます。
しかし、忘れたかったはずの晴人への想いは、いまだ健在。
プレゼントでもらった桜色のシザーケースをいつも大切に持っていました。

体調が戻り、病院から自宅へ帰る際、晴人の職場の前で待ち、晴人の横顔を車の中からのぞき見ていることしかできず、、、。
辛すぎます。

そして、「冬」。

美咲は自分の体のことは一番わかるということを身をもって体験していました。
もうすぐ自分の体は限界だと。
兄の貴司は、いろいろ工夫し、美咲に尽くしますが、もう自分にはなにもしてあげられないと晴人を訪ねます。
そして、美咲の病気のことを打ち明けます。

晴人は美咲の自宅に行き、顔と声は拝めませんが、美咲のいる部屋の前から来る日も来る日も日常であった他愛のない出来事を美咲に語ります。
美咲は、この時が一番救われてました。
そして、晴人は美咲にカメラマンになって写真展を開くことができたので写真を見に来てほしいと晴人に言われます。

美咲は、晴人に自分の姿を見られたくない想いから、写真展最後の日まで行けず、最終日に兄の貴司の一押しで写真展に向かいます。

そこで飾られていた写真は、晴人と付き合っていた時に共に時間を共有した写真の数々。
タイトルは「変わらないもの」。

美咲は、晴人に急激に会いたくなり、晴人がどこにいるか受付の方に尋ねますが、「大切な人を迎えにいった」とすれ違いになってしまっていました。
美咲はもう老いてろくに動かなくなった体で家へ急ぎます。
そして、その途中で晴人の姿を見つけました。

つけていた桜のニット帽が彼前に飛ばされ、彼はそれを拾って「どうぞ」と一言。


そう、晴人は変わりはてた姿の美咲に気付くことができませんでした。
美咲はその事実を認識し、ただ「ありがとう」と晴人の後ろ姿を見ているだけでした。

報われませんね。しかし、このとき美咲はどう思ったのでしょうか?
自分の姿だと、認識されずにほっとしたのか。それとも深く傷ついたのか。

最後「新しい季節」で晴人は、美咲の部屋へ上がり、桜のニット帽を見て絶望。
自分は美咲に気付いてあげられなかったと自分を責め。
一時期、部屋で廃人のようになってしまいます。

そして、美咲が死ぬ前に書いた手紙を読むのですが。

美咲は最後に晴人に会ったことには触れず、ただただ「大好き、ありがとう、応援してる」と伝えていました。

美咲の想いが本当にきれいで涙なしには読めない小説です。

このブログでは晴人について、あまり触れていませんでしたが、ほんと頼りないしょうもない感じのやつです。
ですが、美咲に対しての気持ちは本物でほんと純愛って感じです。

恋愛小説あまり読まないのですが、たまに読むとただただ感動しますね。

今日はここまでにします。

ありがとうございました。

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和泉。