こんにちは。
今日は小坂流加さんの「余命10年」を読みましたので感想を投稿していこうと思います。
この作家さんは、ご存知の方もいると思われますが、
小坂流加さん自身が重い病に侵されており、
主人公の「茉莉」も同じく不治病にかかり余命宣告されています。
小説の各章の最後に茉莉の心の叫びや想いが書かれていますが、
どれも心に突き刺さるような強い力を持っているように感じました。
小坂流加さんは、すでに亡くなられています。
彼女が残した遺作の「生きてさえいれば」も読みました。
あくまで私個人の感想となりますが、
「余命10年」は、生き様を書き。
「生きてさえいれば」は、願いを書いたのかなと感じています。
余命10年は、余命宣告されて恋をせず、今をただ何となく楽しく過ごそうとしていた「茉莉」。
親友の沙苗の趣味に巻き込まれるような形でオタクと呼ばれる人たちとコスプレの衣装作りや漫画作成にはまっていきます。
だが、日々茉莉は余命と向き合い、その一過程で昔、仲良くしていた友達をいじめから救えなかったことを悔やんでいました。
その清算のため、彼女に会いに行きます。
彼女はすごい幸せそうで、しかも身の回りの人とは違い。
自分が病気であることを知らないから、常に腫物のように扱われていた茉莉はすごい居心地が良かったのでした。
そんなところにもう少し浸っていたいと話の流れで出た同窓会に顔を出すことにしました。
そこで、和人と会ってしまうのでした。
和人は、茉莉に小学校のときに初恋しており、二人は徐々に距離を縮めていきました。
同時に茉莉は、このままではいけないと必死に自分を抑え込みますが、
二人は付き合ってしまいます。しかし和人は、茉莉の病気のことを一切知りません。
和人は家が、代々続く茶道の名家で和人はそんな家を継ぐことにプレッシャーを感じており、
そこから逃げるようにいろいろなことに挑戦していました。
茉莉は和人を叱責し、家の跡取りとして向き合う覚悟をさせ、
そして、自分は和人の元から去る覚悟をします。
和人に自分の病気のことを打ち明け、和人には別の人と幸せになってほしいと伝えました。
和人は、それでも結婚してほしいと願いますが、茉莉の覚悟が揺らぐことはありませんでした。
和人は自暴自棄になってしまいそうになりますが、茉莉は自分の願いが和人を生かすこと。
和人が幸せに生きることであると確信し、和人に懸命に想いを伝え、
和人もそれが茉莉の願いならとその願いを了承しました。
ここからまだ3年ありますが、余命が10年あってもまともな生活ができるのは5年ほど、
他は病院の中での生活です。
ここからの3年はほぼ病院での生活になります。
茉莉は、病院のベットで和人に会いたいと願いますが、
和人に苦しい想いをさせたくなかったこと。
自分の今のボロボロの姿を和人に見せたくなったこと。
後悔がないとしたら嘘になるが、この道を選らんで生きた。
そう自分で決めたのだと強く想いなおし、死を迎えます。
まだ、お葬式や和人のその後と物語は続きますが、
ブログに乗せるのはここまでとします。
私はこの小説を読んで、茉莉の強い意思。
限られた時間の中を生きることの難しさ。
それを教えられたような気がします。
この小説は本当に読んでよかった。
是非このブログを読まれた方にも読んでほしいと思います。
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和泉。