Workout Diary

自分の読んだ本の感想や日々のワークアウト主にトレーニング、食事について書いていこうと思ってます♪ このブログの記事読んだ読書家さんたちをフィットネス業界に引き摺り込めるよう日々更新頑張ります!

中山七里さんの「護られなかった者たちへ」感想

おはようございます。

最近は、とても冷えてきたので長そでだけでは心もとなくコートやダウンをそろそろ着ようかと思い始めました。

今日ご紹介させていただく作品は表題の通り。
「護られなかった者たちへ」です。

内容をお話させていただくと、

捜査一課に所属する熟練の刑事笘篠の目線と容疑者の利根の目線で主に描かれていきます。

笘篠はある殺人事件現場に向かいます。
死因は餓死、手足を拘束され飲まず食わずの状態で放置されるという非常に残虐なものでした。
しかし、犯人に関する手掛かりはほぼつかめず、捜査は難航をきわめていました。

そこから、第二の犯行。
死因は同じく餓死、どうように放置されて殺害されていました。

二人とも周囲の人間に怨恨の線でつながりがなかなかつかめていませんでしたが、
二人の職歴にある共通点を認めました。

ある時期、同じ福祉保健事務所で働いていたことです。
福祉保健事務所とは、生活困窮者に生活保護を申請させいわば人を助けるのが仕事ですが、
実態は、異なるものでした。

生活保護は、年々予算が削減され、なおかつ不正受給者があとを絶たないことから、
人を助けるというよりも、どのように生活保護申請を断るかに尽力し、当時の福祉保健事務所は運営されていました。

ここで一度容疑者の利根の過去の回想を挟みます。

容疑者の利根は、やくざの末端に飲み屋で絡まれ、それを撃退したことから前科者となり、
その仮釈放期間に返り討ちにしたやくざの末端に報復されます。

仮釈放に問題を起こしたくないとの思いから手は出さず、しかし生涯治らない怪我を負わされそうになった時、ある女性に救われました。

その女性は遠島けいといい初老でありましたが、覇気を感じる女性でした。
利根は彼女に介抱され、親の帰りが遅いから預かっているというカンちゃんと夕飯をごちそうになりました。
利根は独り身であったからか、この夕食の時間を心地よく過ごし、その心地よさからか手土産を携えてけいの家に足を運ぶ、疑似的な家族関係になっていきました。

お互い困ったときは、助け合い相談しあう。
そんな関係が続いていましたが、転職や家族の都合などで3人は疎遠とはまではいかないものの今までのような頻度で会えなくなってきました。

そんな、ある日カンちゃんからけいの様子がおかしいと連絡を受け、
会いに行ってみると、けいは今まで生活するためにつかっていた貯金が底をつきたことを知りました。

利根は懸命に支援しますが、利根の生活も楽なわけではなく。
それでも食材を買ったりやれることをやりました。

しかし、けいさんは日に日に弱っていき、利根は生活保護を受けるようけいに伝え、
何度も福祉保健事務所に足を運びますが、生活保護が下りることはなく。

けいさんは餓死しました。
けいさんの胃からは、検視でティッシュペーパーが発見され、どれだけ空腹であったか思い知らされます。

まあこんな感じで最後の殺人が行われるわけなのですが、
なかなか利根には共感を抱いてしまいました。
利根は自分の意思が強く、法を犯したとしても自分がやるべきことはやり通す。
芯の強さを持っていました。

自分はこの小説を読んで非常に犯人側に感情移入してしまいました。
自分ももしこのようなことを経験してしまったらこの犯人のようになってしまうかもしれません。

この小説は本当に人間というものをしっかり描けていてすごい胸を撃たれましたね。

誰しも状況によっては、犯行を犯してします。
復讐に至る場合では、与えられた想いが強ければ強いほどに。

今この小説映画を上映しているようです。

自分は明日身に行きます。

みなさんもお時間があれば、映画であれ本であれ見てみてください。

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和泉。