こんにちは
久しぶりの投稿となりますが、最近文庫化された薬丸岳さんの「告解」の感想を投稿していこうと思います。
今回も重いテーマではありましたが、終わり方が綺麗で物語の冒頭は辛くなるところが、多々ありましたが、最後はお互い和解でスッキリといった感じでした。
ここからはネタバレになります。
主人公の籬翔太が深夜に飲酒運動し、81歳の老婦人を轢き逃げしてしまうところから物語は始まります。
籬翔太は、事実とは違うことを裁判で訴えて懲役5年を言い渡されます。
この時の籬翔太の心情と遺族側の心情両方とも共感できてしまうのが、薬丸岳さんの作品の魅力だと思っているのですが、まさに今回もその通りでした。
籬翔太は自分を呼び出した、ようは飲酒運転をする要因となった彼女を庇い証言をし、遺族側はその証言に対して憤りを感じるといった場面、人間の難しさというかそういうものが描かれていきます。
そして、5年の刑期を終え、刑務所から出てきた籬翔太には物語で二つの選択肢が与えられます。
一つは日雇いの仕事で知り合った前科者と非合法によう裕福な生活。
もう一つは、飲酒運動のきっかけを作ってしまった彼女のと生活。
この物語では後者でしたが、前者を選んでしまう人も多いのではないでしょうか。
そして、最後に轢き逃げ被害者の夫との対話はなかなか深い話が語られます。
「心までは鬼畜になれない。」
もちろんこの2人に関しては、そうだったようです。真の鬼畜はこの世に存在するとは思いますが、この人はどんな鬼畜の所業を行おうと心は鬼畜にはなれなかったようです。
この話を読んで更生について考えさせられました。真の更生とは自分のことを自分が許せるように努めることなのかもしれません。
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和泉。