今回はこんなジャンル、もはやジャンルと言っていいのかわかりませんが人との繋がりが描かれたお勧め小説を5つ紹介していこうと思います。
主にほっこりする内容の本が多くなっていますので、そんな作品が好きな方は是非読んでみてください。
今回紹介する小説は以下の5つです。
- かがみの孤城 著者:辻村深月
- ツナグ 著者:辻村深月
- アイネクライネナハトムジーク 著者:伊坂幸太郎
- 流浪の月 著者:凪良ゆう
- ひと 著者:小野寺史宣
上で紹介した作品がどんな作品なのか以下で紹介していきます。
〜かがみの孤城 著者:辻村深月〜
この作品は不登校になったこどもたちがある日光り出した鏡の中に入り、鏡の中にある孤城で同じく不登校になったこどもたちとのやりとりを通じ前向きに変わっていく話です。
この作品は人は死んだり等は起きませんが、色々な謎が各所に散りばめられていてその伏線が最後に見事に回収されていく様が圧巻です。
どんな謎なのか?と思う人もいると思うので、いくつか紹介します。
1つ目は同じ学校に1人を除き通っているにも関わらず現実の世界では絶対に会うことはできないです。これについては実は出会っていたりするのでなんとも言えない部分ではあるのですが、まあ謎の一つでありほっこりする要素の一つでもあります。
2つ目はオオカミの被り物を被った謎の少女です。この少女は城の住人であり、徐々に正体が明かされる存在であります。
正体は孤城に招かれたこどもたちの中の誰かの縁者ではあるんです。ネタバレは避けたいので詳細は作品を読んでほしいですが、この少女のある願いからこの孤城を作り出し、こどもたちを招きました。ほっこりするポイントでもあります。
他にも色々ありますが、何よりこの作品の完成度は一級品で、一読する価値はあります。
気になった方は是非読んでみてください。
〜ツナグ 著者:辻村深月〜
続きまして、辻村深月さんの作品になります。
この作品は短編調に描かれていまして、テーマは「死者との再会」です。
死んだ人と一度だけ再会できるというものです。
再会するには条件があって、まず縁あって「ツナグ」と呼ばれる使者と出会うこと。もう一つが、死者が再会することを了承することです。
そして、どちらも「ツナグ」を使って出会える機会は一度だけというなかなか凝った設定になってます。
「ツナグ」は続編も出ていますが、こちらで紹介する最初の話で再会するのが「急死したアイドル」、「病気で亡くなったお袋」、「事故死した親友」、「失踪した婚約者」です。
出会う人の肩書き見るだけで感動しますが、中には再会することで精算される想いや愛もありますが、より強い後悔を伴うものもあります。
しかし、全体的にはほっこりする内容が多く、涙し感動する章もあります。
短編調にはなっているものの最後の章で明かされる、使者の目線から描かれる全ての章を繋げる終わらせ方などについてはさすがと言わざるを得ません。
とてもお勧めできる作品ですので気になった方は是非読んでみてください。
〜アイネクライネナハトムジーク 著者:伊坂幸太郎〜
この作品はさまざまな人の目線でさも大したことがないようなトーンで進んでいきますが、すごい深みがある作品です。
何がそんなに深みがあるのかというと、さも大したことないような調子で描かれている物語がなぜか繋がっていき些細な出会いがきっかけで人は色々なものに影響を与えているのだと思える心温まる話です。
この作品を読むと人との出会いはどんな形であっても繋がっていくのだと思わせてくれる話になっています。
伊坂さんの作品は他にも「砂漠」やグラスホッパー」など読みましたが、これがダントツで刺さりました。
日常の些細な出来事もこの物語を読むと色々な縁につながるかもしれないと思えるそんなほっこりする作品です。
気になった方は是非読んでみてください。
〜流浪の月 著者:凪良ゆう〜
この作品はとてもほっこりできる作品ではあるのですが、この作品で良い仲になる2人の肩書きだけを見るととても理解できないことかもしれません。
この作品で恋人と言えるのかはとても微妙な関係であり、ここでは良い仲と表現します。
良い仲になる人の肩書きは、「少女を誘拐した犯人」とその被害者です。
とても奇妙というか一般的に言ったら理解できない組み合わせではありますが、それぞれも境遇や実態を知り、2人に寄り添って物語を読むことで2人がとても信頼し合い、社会にどれだけ糾弾されようとも一緒にいようとする前向きな気持ちがとても心地いいです。
社会は警察が公表したことしか知らないので、それを元に2人を切り離そうとしますが、それでも離れず、一緒にいようとしている最後の2人の関係性はとても理想的でとても素敵に写りました。
気になる方がいましたら、是非この作品を読んでみてください。
〜ひと 著者:小野寺史宣〜
天涯孤独となった少年の話です。
その少年が人の悪意や良心に触れ、成長していくとても心温まる作品です。
天涯孤独となる少年は聖輔といいまして、この少年の心優しい人柄や人間味が非常に良く、作品に惹き込まれていきます。
なんかもっと描きたいくらいの作品ではあるんですが、なんというかとても人の日常風景が描かれる描写が多く目立つところがあまりないのもこの作品の特徴だと思っていて、なのになぜは心温まるそんな作品です。
気になる方は是非読んでみてください。
追伸、この作品で登場する聖輔の職場となる砂町商店街のお惣菜屋さんですが、同じ作家さんが書かれた作品である「まち」にも一瞬登場します。
こういうのがあると少し嬉しいですよね笑
いかがでしょうか小説のいいところは共感ができ、自分の感情を動かしてくれることだと思っていますので是非気になる作品があった方は読んでみてください。
和泉。